支援員 伊澤しおり
娘が歯医者さんで見せた、涙と勇気の記録
先日、娘が歯医者さんで舌小帯の処置を受けました。患部に麻酔をして切除するという年長児にとってはかなりハードな治療を乗り越えた娘を見て、「これ以上つらい治療はないはず!すごいことだ!」と心から思いました。
ところが、その後の虫歯治療は、麻酔もなくほんの少し歯を削るだけの処置でしたが、娘は泣き叫び口を開けることさえ出来なかったんだそう。
1回目の治療には主人が付き添いました。
「自分と一緒だと甘えが出て、メンタルが弱くなってしまうみたい」と言い、次回はママにとバトンが私に回ってきました。
実は、私はあまり付き添いたくないという気持ちがありました。理由は、娘が泣き叫ぶと私はよくパニックになり、つい余裕のなさから怒ってしまい…
なので、今回も自信がありませんでした。
今回の付き添いでは、「怒らず、応援する」ことを自分の目標に課し、私も決意を持って挑みました。
いよいよ始まる。
娘はまた泣き出してしまい、「今日もダメか…」と私の心は沈みかけました。
そのとき、娘が叫びました。
「チョット待って!一回落ち着かせてーー!」
私は驚きました。
怖くて泣いているのに自分の気持ちをちゃんと言葉で伝えている。
逃げたい気持ちと戦おうとする気持ちの間で、娘は必死に闘っていました。
そしてもうひとつ、忘れられない瞬間がありました。
治療中、娘が私の手をぎゅっと握りしめてきたのです。
その手の力の強さに、娘の頑張りがまっすぐ伝わってきました。
この日の治療は中断という形になりました。
それでも私は娘にこう伝えました。
「頑張って長く大きい口開けてたね!かっこよかったぞ」
治療はまだ続きます。
でも、娘なりのペースで、少しずつ進んでいければそれでいい。
親としてできることは「そばにいて見守ること」
我が子が立ち向かう瞬間に立ち会えた時
母として子育てが少しだけ、誇らしくなるのです。

