コラム「発達障害と親心」

代表 二宮 翼

「発達障害だから育てにくい.」そんな言葉で発達障害が語られているのを,しばしば耳にします.では本当に発達障害だから育てにくいのでしょうか.
決してそんなことはありません.場合によっては,特性があるからこそ伝わりやすいこともあります.ではなぜ,子育てをするにあたって私たちは困惑するのでしょうか.

その理由の1つに,
特性によって「私たちの知っている子育て方法が通用しない」ことがあげられます.

特性とは,一生付き合っていくその人の「脳のクセ」とも言い換えることができます.
「脳のクセ」はどんな人にもありますが,発達障害の方のクセは特に私たちの「きっとこうだろう」を飛び越えて予想がつきにくい場合が多いです.
なので「私たちの知っている子育て方法が通用しない」ということです.

私たちは大概どんなクセでも意識するまでそのクセをなおすことは難しいです.
ましてや,幼少期は自分のクセがどういうものなのか意識できるこどもは少ないでしょう.
では,脳のクセはどうでしょう?これも同じです.

じゃあ,脳のクセをなおすことを期待して待つのではなく,
私たち大人がそのクセを理解し工夫する方が早いと思いませんか?
そして,そのクセをもつこどもとの関わりを工夫することこそが本当の「親心」ではないかと思います.

うまくいかないのではありません.
うまくいくコツをまだ私たちは知らないだけです.
コツがわかれば,最後は結局「愛」ですから。.