支援員 吉本方美
小学校の修学旅行は、家庭で行く旅行とは違い、子どもたちが仲間と協力しながら旅をすることで社会性を育み、新しい世界を知る大切な行事です。しかし、家族と離れて過ごすことへの不安、予定変更への戸惑いや長時間移動のストレス、人混みや騒音への敏感さなどが原因で、旅を楽しみにくい子どももいます。そこで、先生や学級の仲間同士が自分たちでできる、適切なサポートや協力について、事前に確認することで、安心して楽しく参加できるようになります。
🔹事前準備🔹
旅のしおりで、事前にスケジュールを視覚的に示し、目的地の写真や動画を見ておくことで、予定を見通すことができて、不安を軽減できる場合があります。
🔹ピア・サポート🔹
「困ったときは先生に相談する」「みんなで協力する」という意識をクラス全体で共有していると、子どもたちが安心できる環境が整います。たとえば、日常的に困っている仲間がいたら、「どうしたの?」「何かできることはある?」と声を掛け合える雰囲気が育っていれば、旅行中にも自然な支え合いが生まれ、旅の思い出をより温かいものにできるかもしれません。
🔹 それぞれの楽しみ方を尊重する 🔹
子どもたちは、歴史に興味があれば史跡をじっくり見学し、自然が好きであれば風景を楽しむなど、それぞれの感性で旅を満喫します。「みんなと同じように楽しむこと」だけではなく、「ひとりひとりにとって楽しい旅になる」場面が旅行中に組み込まれることや、仲間と感想を語り合うような学習計画が旅程にあることで、より深い学びと楽しみにつながると思います。
修学旅行は、一日の生活を仲間と共にすることで、子どもたちにとって「世の中にはいろいろな人がいること」を実感できる貴重な機会となります。保護者の方も、帰宅後に「どんな場面が楽しかった?」と一緒に荷物の整理をしながら子どもに聞いてみることで、経験してきたことや、思い出を共有し、我が子と一緒に人生を豊かなものにすることができるように思います。
学びを家庭や日常生活につなげること、それこそが「これからの時代の修学旅行」が果すべき役割ではないでしょうか?

