コラム「ありがとうとごめんなさいと助けて」

代表 二宮 翼

いわゆるこの業界で使われる言葉に「ソーシャルスキル」という言葉があります.
社会性などと訳されて使用される場合もあります.

このソーシャルスキルは,社会性と言われるだけあって社会に出る中で求められる力です.
つまり,人間社会で”上手に生きていくため”に必要とされる力とも言い換えられます.

このソーシャルスキルは高い低いで表現されるのですが,ソーシャルスキルが高い方には「ありがとう」「ごめんなさい」が言えるという特徴が見受けられます.
もちろん「ありがとう」「ごめんなさい」を言えなくてもソーシャルスキルの高い方はいるのでしょう.しかし,よりよい人間関係を築く上で日本では特にこのような礼儀を重んじられることが多いです.

この二つの他にもう一つこの言葉を使えるとよりよい人間関係を築くことができる,と考えられるのが「助けてください」です.

これは何も命からがらの状態で「助けてください」ということではなく,
困った時に「助けてください」と言えるかどうかのお話です.

これが言えないと,自分の中で抱え込んでいつの間にかいっぱいいっぱいになり
いつしかその困りごとに押しつぶされてしまう,なんて話もしばしば耳にします.
よって,この「助けてください」と言える力も大きなソーシャルスキルといえるでしょう.

しかしながら人間とはまた不思議なものでこの「助けてください」をいろいろな方法で伝えてきます.

ある人は言葉で伝えて,
ある人は怒って,
ある人は泣いて,
ある人はパニックになって,
ある人は黙って,
ある人は無視して,

その表現方法は多様で,
発達年齢や育った環境,さらにはその人との関係性によっても変化します.

私もこの業界が長くなってきており,
子どもや保護者と関わる仕事の中ではこれらを察せる場合が多いのですが…

そうではない場面
例えば,職員との関わりやプライベートなど
このような時にはどうもそれに気づくことができない場合が多いです.

果たしてこれは甘えなのか,それとも鈍感なのか,

私自身も学ぶことが多い
あんどという職場です.