支援員 佐藤美紀
話すことがあまり得意ではない私ですが、息子には0歳から毎日スケジュールや見たものを言葉で伝え、”ことばのシャワー”を意識しました。テレビは消し、童謡や絵本、新聞記事まで読み聞かせをしていました。
その成果もあって、1歳4ヵ月で「ここに、おいて?」と私の顔を見て二語文で話しかけてきました。2歳で四語文、3歳を迎えた頃には帰省中の車内で2時間話しっぱなしというお喋り好きになりました。
まさか「黙ってくれない」が悩みになるとは…(笑)。
しかし、2歳過ぎには吃音のような話し方が聞かれ、当時はとても不安でしたが、「焦らず安心できる環境が一番」という保育園の先生の言葉に救われ、肩の力が抜けました。振り返ると、息子のときには「ことば」に意識が向き過ぎていたのかもしれません。
一方、2番目の娘の時には、0ヵ月からベビーサインを導入しました。息子の時の反省を生かし、サインや表情など”声以外の伝え方”も一緒に楽しむようにしました。10ヵ月の離乳食中、泣きながら手をグッパーして「おっぱい飲みたい」と伝え、ご機嫌で食事を再開。自分の思いが相手に伝わった!という娘の表情は忘れられません。
この経験から、”ことば”とは声に出す言葉だけではなく、手でのジェスチャーや表情も大切な”ことば”で、多様な伝え方があると実感しました。
私は、子ども一人ひとりにあった伝え方を見つけ、寄り添うことが大切だと考えています。
これからも多様な伝え方を認め、焦らず、その子に合ったペースで育んでいけたらと今は考えるようになりました。
そのため、今は子どもと向き合う時「相手に届く形で伝えられた」という達成感を持てる関わりを意識しています。
そして、息子も娘も言葉を使えるようになった今は、「せっかくだから言葉で伝えてみようね」と声をかけ、人に思いを届ける練習をしています。
今では、お喋りな息子には日々助けられ、そんな兄の背中を見て育った娘も負けじとお喋りに…!
気がつけば、家の中は大賑いです。
「話してくれるのが何より嬉しい」…と思いつつ、時にはちょっと、静寂も恋しい今日この頃です。

